激しい嘔吐や下痢などを引き起こすノロウイルスに、遺伝子が変異した新型が発見された。
神奈川・川崎市では、2015年6月までに、この新型のノロウイルスに感染した患者が36人確認されていて、従来型の感染者数を上回っている。
川崎市では、「全然知らなかった、いや怖いですよね」、「子どもを持った親としては、焦る部分は、たくさんありますね」といった声が聞かれた。
川崎市健康安全研究所などの調査によると、例年は「GII.4」という型が主に流行していたが、2015年に入って新型のノロウイルス「GII.17の変異種」が急増しているという。
ノロウイルスは、主に生の魚介類や感染者が触れた食品などを口にすることで感染する。
医師は、新型ウイルス特有の怖さを指摘した。
川崎市立川崎病院・坂本光男部長は「皆さんが抗体とか免疫がありませんので、やはり1人発病すると、周囲の方が感染して発病するリスクっていうのは従来型(のウイルス)よりも高い」と話した。
従来型のウイルスの免疫を持っている人でも、新型には効力がないため、大流行する可能性があるという。
2012年12月、多摩市の幼稚園では、ノロウイルスにかかった園児がいたということで注意を促す貼り紙が出ていた。
2006年や2012年にも大流行した、ノロウイルス。
このときも変異したウイルスが原因で、全国各地で学級閉鎖などが相次いだ。
坂本光男部長は「小さなお子さんであるとか、お年寄りですと、脱水になったり、嘔吐(おうと)物を誤飲したりして、窒息したりして、場合によっては命に関わる」と話した。
新型のノロウイルスは、現在わかっているだけでも、川崎市以外に埼玉、栃木、長野、さらに三重でも確認されている。
また、中国や台湾、アメリカでも同じ型の新型ウイルスが検出されていて、世界中に広がっているおそれがある。
ノロウイルスにかかったことがある人は、「最初は胃が気持ち悪いなというところから始まって、胃が気持ち悪いのが、どんどん上に上がってくる感じと思ったら、下からも。トイレからも離れられないよう感じで」、「吐いちゃうんで、それを片づけると、どうしてもうつる」と話した。
毎年、秋から冬にかけて流行するノロウイルス。
今まで以上に徹底した予防、対策が必要。